マンガ大賞受賞の話題作!
人とチンパンジーの子供「ヒューマンジー」が主役のサスペンスドラマ。差別やテロリストなど様々な問題が絡み合うアメリカが舞台の海外ドラマのような社会問題作とは。

ヒューマンジーというパンチの効いた主人公にまず惹き込まれました!
結論: 舞台はアメリカ。もはや映画や海外ドラマを見ているようなスケール。ヒューマンジーというフィクションと現代社会の問題がバランスよく描かれているエンタメ社会派ドラマです。
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“引用:【ダーウィン事変 1巻】うめざわしゅん
ebookjapanレビュー: | (4.4) |
*以下はネタバレも一部含んでいますので、ご注意ください。
あらすじ
テロ組織「動物解放同盟(ALA)」が生物科学研究所を襲撃。そこにいた妊娠中のチンパンジーが保護され、人とチンパンジーの子供「ヒューマンジーのチャーリー」が誕生する。
人間に育てられたチャーリーは15年後に高校に入学する。学校で気味悪がられるも、陰キャの女子ルーシーと出会い、仲良くなっていく。
そんな時ALAが再び現れ、チャーリーを仲間へ引き入れようと武力による画策を行う。差別や偏見、テロ、動物愛護など様々な問題が提起されるノンヒューマンドラマ。
面白い?見どころ3ポイント
① アメリカが舞台のスケールの大きなストーリー
アメリカのミズーリ州の田舎町が舞台。
高校、保安官、様々な人種、銃など海外ドラマでよく見る世界に連れていってくれる。
セリフの横に時々英語のセリフが載っているのも臨場感が増して面白い。
人種差別や学校の描写など実際のあるあるも詰め込まれていて、ヒューマンジーというフィクションと現実社会が上手く織り交ぜられているストーリーになっている。
② ヒューマンジーならではの思想と行動
当たり前だと思っていることでも、チャーリーにハッとさせられるセリフが沢山ある。
人は人が特別だと思っているけれど、視野を広げ、地球や動物主体で考えたら、チャーリーの言うことにうなずける。チャーリーはとても冷静に語るので、スーッと心に入ってくる。
また、チャーリーの驚異的な身体能力も見どころの一つ。チャーリーとALAとの戦闘シーンはスピード感やパワーの描写が素晴らしい。チャーリーがスパイ映画の主人公以上の身のこなしでバタバタ敵を倒していくところは、読んでいて面白い。
③ 動物愛護とヴィーガンとテロリズム
世の中にはリアルでも様々な思想の方がいる。
宗教、人種、男女、動物、環境などそれぞれ価値や思想が違い、許容範囲もさまざま。昨今の環境問題提起で美術品にいたずらをする人がいたり、宗教でテロが起こったり、行き過ぎる人もいる。作中でもおぞましいテロが発生する。



私はヨガを学びにアメリカへ行ったことがあります。
ヨガをする人はヴィーガンやベジタリアンが多くて、お肉を食べる人は野蛮だとか、動物の苦しみを語る人はいた。アメリカはヴィーガン向けやメニューがあるレストランも沢山あり多様性に富んでいる。ダーウィン事変では、そういった様々な思想を持つ人物が登場し、リアルさが増している。
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登場人物
チャーリーの家族
- チャーリー
人間の父とチンパンジーの母の間に誕生した主人公。
見た目はチンパンジー寄りで、人間とチンパンジーの上位ハイブリット。
性格は冷静で賢く、すさまじい運動能力を持ち合わせる。一見無感情のようにクールだけど、応援したくなる主人公 - ギルバート・スタイン
チャーリーの養父。
動物のお医者さんでチャーリーを取り上げ、母親の命を救う。
ヴィーガンでチャーリーのことを優しく支える優しいパパ。 - ハンナ・スタイン
チャーリーの養母。
弁護士で下院議員とのコネクションもあり、チャーリーの市民権を得るために尽力している。
ちょっと感情的なところもあるけれど、母親ってこんなところもあるよね。 - エヴァ
チャーリーの生物的な母親チンパンジー。
他のチンパンジーよりも圧倒的に知能が高く、カードで会話ができるほど。
彼女から伝えられる衝撃の事実もストーリーに大きな影響を与える。
高校、その他の人物
- ルーシー・エルドレッド
陰キャの優等生で変わり者。
思ったことは口に出すしわかりやすい。とっても共感できる女の子。 - エルドレッド
ルーシーの母親。
シングルマザーで娘を心配していて、チャーリーを猿人間と偏見を持って引き離そうとする。
ルーシーとは口げんかばかり。実際に危険があるから、彼女はある意味至極まっとうな母親。 - ゲイル
チャーリーと同じ高校に通う男子。
ALAの思想に心酔し、とある行動を起こす。
アメリカでさもありそうな悲劇とリンクし、恐ろしくなる。 - フィリップ・グラハム
保安官。
過去の事件からチャーリーのことを危険な存在だと注視している。
ドラマに出てきそうな田舎の堅物な保安官。
でもチャーリーと接することで考えが変わっていく。今や頼もしいおじさん。 - グレイス・グラハム
フィリップ保安官の妻。
なんと言っても彼女のどっしりした優しい性格が緊迫したシーンでの和み、癒しになっている。
グレイスがいてくれるだけでホッとできる。こんなおばさんになりたいな~! - モリス/カイル
チャーリーを確保しようと画策するFBI局員。
結構後手に回っている印象。 - リナレス下院議員
動物愛護の政策を是とする女性議員。
チャーリーにも救いの手を差し伸べる。こういった政治家が出てくるのも海外ドラマみたいで面白ポイント。
動物解放同盟(ALA)と謎の人物たち
- リヴェラ・ファイヤアーベント(マックス)
動物解放同盟(ALA)の中心人物。
チャーリーをALAの一員に引き入れようと画策する。
動物愛護とは違うベクトルで動き、冷静かつ手段を選ばない危険人物。
微笑んだ顔が逆に思考が読めずに不気味で苦手。 - リップマン少佐
ALAのメンバー。元兵士で動物愛護の精神で武力もいとわない。
敵ながら冷静でクールな男。 - デイヴィッド・グロスマン博士
チャーリーの生物的な父親で天才的な生物学者。
ノーベル賞候補と言われていたにも関わらず、研究所を捨てて失踪中。
物語の鍵を握っていそうだけど、まだ謎に包まれている人物。 - サラ・ユァン博士
グロスマン博士と一緒に研究していた韓国系の女性博士。
オメラス
チャーリーの・・・。読んでみてね!
アニメ化はされる?されない?いつ?
今のところ発表はありません。
アニメ化、もしくは実写映画化されるかも。
ただアメリカが舞台なので、映画化なら海外に持っていかれるかもしれないな。
作品データ
作者 | うめざわしゅん |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 月刊アフタヌーン |
単行本巻数 | 既刊5巻(2023年6月現在) |
メディア | 未定 |
ジャンル | ドラマ/サスペンス |
賞 | 「このマンガがすごい!2022」オトコ編10位 「第25 回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門優秀賞 「マンガ大賞2022」大賞 |
評価 (個人的独断と偏見)
ストーリー | |
絵 | |
キャラクター | |
テンポ | |
ハマり度 | |
推しキャラ | グラハム夫妻 |
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作品 | 特徴 |
---|---|
MONSTER | 世界が舞台の社会派サスペンス |
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パンティストッキングのような空の下
「このマンガがすごい!2017」オトコ編第4位の短編漫画
” 試し読みできます
“引用:【パンティストッキングのような空の下 】うめざわしゅん
パンティストッキングのような空の下 Vol.1
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まとめ
いかかでしたか?
- アメリカが舞台のスケールの大きなストーリー
- ヒューマンジーならではの思想と行動
- 動物愛護とヴィーガンとテロリズム
海外の壮大な社会派サスペンスドラマ。
ヒューマンジーのフィクションと現代の問題もリアルに取り入れたバランスの良い作品です。
アクションもあり、しっかりエンタメに落とし込まれているので、海外ドラマ好きの方はオススメ。
まだ追いつきやすいので、気になる方はぜひ読んでみてください。